噛み合わせ治療とは
噛み合わせ治療について

皆さんが歯科医院を訪れるきっかけは様々でしょう。虫歯ができたからという以外にも、歯茎が腫れた、歯がぐらぐらしてきた、顎が痛い……など、本当にいろいろです。また、一度治したところが何度も腫れてしまうという“繰り返し組”の方もかなりいらっしゃるのではないかと思います。
開業当初から現在まで、当医院に新患で訪れた患者さんは7,000人を超えます。毎日診察させていただくうちに、次のようなことの多さに気が付きました。
1.歯を支えている骨がかなりのダメージを受け、溶けてなくなってきているのに本人が気付いていない
2.奥歯の骨が溶けてなくなってきている、または歯槽膿漏症によって歯が抜けても、「入れ歯やインプラントによりまた元通りになるから安心」と考えている人が多すぎる
ご存知のように厄介な疾患である歯槽膿漏は、成人のほとんどの方が罹患している、もしくはその予備軍とされています。以前までその原因は日々のブラッシング不足であるという単純な答えで片付けられていましたが、最近では歯の噛み合わせにも原因があるということが、研究の結果により分かっています(若年性歯周炎のように、明らかに細菌性の原因の場合は例外です)。
本当の原因を取り除くことが大切です
歯槽膿漏になってしまうのには必ず原因があり、その原因をすべて取り除かない限り、いずれ再発するでしょう。最近では遺伝子治療が進んできていることから、「歯周病になりやすい体質の遺伝子を持っているので、あなたは十分に気を付けてください」といったアドバイスができるようになるのかもしれませんが、実用化はまだまだ先の話でしょう。
現実的な予防策としては
1 定期的なクリーニングと日々のしっかりしたブラッシング
2 体調の維持による免疫力の強化
3 ストレスをためこまないための適度な運動
4 良い噛み合わせの構築
これがすべてです。
歯科治療の大半は補綴(ほてつ)、つまり何らかの理由で失ってしまった歯の修復作業を中心としていますが、ここでまた重大なことがあります。それは、“どのようにして治療するのか”ということです。
よく「このぐらついている歯だけ何とかしてください」という方がいらっしゃいます。たしかに、その悪い歯だけを治すだけなら簡単なのですが、悪化してしまった原因を改善しなければ、治したとしてもいつか再発してしまうでしょう。そしてその原因の多くは、実は噛み合わせの不調和からきていたのです。
乱れた噛み合わせを放置しておくと、必ずと言っていいほど、歯や歯茎、または顎の関節に何かしらの症状が出て、体調も何となくすぐれないというケースに陥ってしまうことが多いようです。ほんのちょっとした噛み合わせのずれが、後になって大きな症状を引き起こしてしまうというケースを、私は何例も見てきました。
健康保険の限界

今までの歯科治療では、先ほどの“歯のぐらぐら”を次のように治してきました。
「それでは隣の歯と連結して固定し、動かないようにしておきましょう。歯槽膿漏も進んできていますから、汚れや歯石もとっておきましょう」。
皆さんは、これで本当に“歯のぐらぐら”の原因を除去できたと考えますか?
これは現状に対しての対症療法に過ぎず、原因に対してはアプローチをかけていないことに気付かれませんでしたか? これが国の推し進める健康保険の現状なのです。
つまり、健康保険では「歯がぐらぐらになる⇒歯の汚れをとって周りの歯を利用して固定する」といった作業しか許されないのです。
正しい噛み合わせに整えましょう
皆さんが子どものころ、一生懸命自分の手と舌、そして残されている他の歯をつかって横の力を加え、ぐらぐらさせてから乳歯を抜いた経験があると思います。つまり、歯は反復した不特定方向の横からの力に対しては非常に弱いのです。周りの歯周組織が破壊されてしまうと、乳歯のように歯が抜けてしまいます。
先ほどの歯がぐらぐらになってしまった患者さんの例で言いますと、この原因となる力のコントロールがなされていない噛み合わせを改善しない限りは、固定したところが外れるか別のところにしわ寄せがくる、といった症状が出てくるのです。
本当の原因を調べるには、どうしても検査が必要になってきます。上の歯と下の歯のずれはどれくらいあるのか、上の歯を支えている上顎骨と下顎骨にはどのような不調和があるのか、今口の中に入っているかぶせ物の噛み合わさり方は歯に余分な負担をかけないか、といったことまで調べていきます。





